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President,s Column | エバー代表のコラム

President's Column | エバーグリーンホーム代表・猪狩裕一の思いをお伝えします。

年別アーカイブ:2014年

時代は変わる。

2014年12月

エバーの業績について。昨期は充電の時期だったようで、波のようなものでしょうか、逆に今期は暮れの時点ですでに前期の2/3に到達しています。そしてこれも波のようなものでしょうか、地元である茅ヶ崎の家づくりの需要は最近は少なく、もっぱらその周辺の逗子・葉山や、平塚や、今月の新規施工例には秦野のお客様がいらっしゃるように、あらゆるエリアから幅広くお声を頂戴しています。どういう情勢の変化なのでしょう?不思議に思います。そして現場はというと、とかく年越しは新しい家で、というお声がよくあるのですが、エバーのお客様は年をまたいでもよい方が多く、忙しいとはいえ、それなりにじっくりと家づくりに励むことができる状態です。とても恵まれている、と思っています。

さて、エバーがある街、茅ヶ崎ですが、少しずつ変化をしています。来年3月までにさがみ縦貫道が全線開通することから、柳島に今度「道の駅」が生まれるということです。柳島に「道の駅」ができる、そんな時代なんですね。また先日、浜見平団地の新規マンション計画のマスタープランを拝見しました。賃貸だけでなく分譲のゾーンもあり、行政の施設なども入るのでしょう、周辺はけっこう様変わりしていくのではないでしょうか。私が子供の頃は、浜見平はいわゆるニューファミリーのための区画でした。友達もたくさん住んでいましたし、そんな彼らのお父さんは大方が電車で東京に通っていたくちだったように思い返します。地元で働いていた層とはどこか異なる、どこか都会的な雰囲気をもった、ハイソサエティな感じがしたものでした。何せマンションなんていう建物自体がない頃でしたから。時代を経て、今のような子供のいない閑散とした団地になってしまったわけですが、今回のリニューアルで再び浜見平に活気がもたらされることでしょう。柳島にしても浜見平にしても、そのことで新しい商売や産業が生まれていけば、とても喜ばしいことだと感じます。ノスタルジックな感覚に浸っているだけでは、仕方がないですからね。

昔の茅ヶ崎の景色なんかを思い出すと、畑やら原っぱばかりだったような光景が浮かびます。今はそこに住宅が建っています。原っぱさえ見つけるのが難しくなりました。時代は着実に変わっているのですね。たまに乗っていた東海道線も(私はいまだに「湘南電車」と言い間違えてしまうのですが笑)、かつて乗っていた人のタイプと今では、いつの間にかまるで変わったように感じます。そういえば、あの頃は座席に必ず灰皿があったんですよね。駅でも車内でも、街中でも、どこでも皆が煙草を吸っていました。それが今はどれほどの変わり様でしょう。時代は着実に変わっているのです。

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全てがケースバイケースの、エバーという会社の場合。

2014年11月

どんな仕事でも付いてまわることだと思いますが、私たちにも、仕事の本旨である家づくりとは別に、事務手続きというものがあります。見積作成や書類申請等も家づくりの一環ではないか、と言われれば、それはそうです。とくにお客様への連絡や通知というものは綿密にやっていかないといけません。なのでここで言う「事務手続き」というのは、お施主様ではなく、建築関連業者への事務手続きであるとお考えください。そうしたものは、いかにして合理的に、スピーディーに済ませていくか、あるいは省いていくか、ということを考えていかないとなりません。なぜなら、私たちは、そこに時間を浪費せず、お施主様の要望に沿った家づくりをすることに、より多くの時間を割き、没頭しなければならないからです。

たとえば、お施主様の予算に合った見積金額でタイル施工業者に合意をしてもらう必要があります。仮に「予算は○万円だが、この仕様で御社ではいくらでできますか?」と聞いたとします。タイル施工業者は「この予算ではちょっと厳しいですね」という答えが帰ってきました。それをお施主様にフィードバックします。お施主様は「そこを何とかなならないものでしょうか?」と、やはり夢はそう簡単に捨てきれないものです。そこで設計が代替策を考え、それを持ってタイル施工業者に再び打診してみます。「これなら何とかいけるでしょう」という答えを聞き、そして再びお施主様に打診します。「うーん、いいと思うんですけど…」と、やはり納得のいかない様子…そんな風にして時間は刻々と浪費されます。

こういう場合なら、タイル施工業者との間に、いかに人間関係が構築できているか、がものを言うと思うのです。
たとえば「予算は○万円だが、この仕様で御社ではいくらでできますか?」「この予算ではちょっと厳しいですね」というやりとりになったとします。そこで、「だとしたら、お施主様の希望に沿ったかたちで、かつ予算内でおさまるように、ちょっと知恵を絞ってもらうことができますか?」なんていうコミュニケーションが取れたら、互いの事務手続きの省力化になると思うのです。少なくとも、見積書を何度となく交わすような、あの忌まわしい時間と手間を、省くことができます。図面を作成する時間や手間も減るでしょう。

営業職の方なら、いつ終結を迎えるのかわからないような「見積書地獄」のようなパターンがあります。あと何回出せば終わるのだろう…ああ、昼間こんなに現場で働いているのに、帰ってまたあの見積の変更に対応しなければならない…うまく頭を働かせて、こういう事務手続きの輪廻をいかに断ち切っていけるか。それが、お施主様の目には見えないところでの、私たちの家づくりの努力でもあります。

「ほう・れん・そう」を徹底し、企業運営の合理化・透明化に務め、会社がISOの基準を満たしているとします。しかし、それを活かすのも殺すのも結局は人なわけで、マニュアル一辺倒の「ほう・れん・そう」だけ義務付けたって、じゃあ本当に合理化・透明化されたのか?というと、決してそうではありません。 義務付けられたものに、ケースバイケースの対応は含まれていません。そう考えると、エバーの仕事は、決まったノウハウだけ駆使しても何の役にも立ちません。だって、お施主様の自由な家づくりをポリシーとしているのです。もう、全てのことがケースバイケース、なんですから。

大事なのは、その時ごとに、何を思い、どう機転を働かせられるか、です。全てはお施主様のために。

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奥様が考えること vs ご主人が考えること

2014年10月

エバーにご依頼くださるお施主様は、ご夫婦揃って家づくりに熱心で、ご夫婦揃ってクリエイティブな思考をお持ちの方が大半です。それは、エバーが自由な発想で家づくりをお手伝いするという姿勢なので、当然といえば当然かもしれません。
お客様の属性というのはやはり顕著にあるもので、たとえば他社で建て売りをお求めになるご夫婦というのは、こう言っては失礼なのかもしれませんが、ご主人が家づくりについて一歩引いている(あるいは興味が薄い)ご夫婦が多いです。そうなると、建て売り住宅というのは自然と、奥様の購買意欲を重要視して建てられます。キッチンにちょっとしたアイデアがこらされていたり、小さなお子様が危なくない工夫があったり、などです。ご主人とは違って、家で長く時間を費やし、そこでお子様とも長く過ごすことになる、そんな奥様だから感じることのできる魅力をよくアピールしています。

一方、私たちのお施主様は、ご主人も多く家づくりに加担されます。場合によっては奥様よりも積極的に、家へのビジョンをお持ちのご主人様もいらっしゃいます。打ち合わせでは、双方からの異なる要望をいただくのは、それこそ毎回のことです。
ご主人様と奥様では、それぞれが欲しい家についてのご意見が異なるわけですが、そこには面白いことに、男女の違いがあったりもします。いやはや、女性はやはり現実的で、男性はやはり夢みがち、です。
奥様は、「今」を大切にする傾向があります。「今、使いやすい」ことが大切です。今、使いやすい間取り。今、使いやすい戸棚。今、使いやすいキッチン。
一方、ご主人はどちらかといえば、5年後、10年後、20年後を考えて、「今」だけにとらわれ過ぎないように気をつけよう、と思う向きがあります。

それらは、どちらも大切です。目先の、短期間の生活サイクルや、今のお子様の体の大きさだけを基準にしても将来に不都合が起きるわけだし、かといって何もかも保留にばかりしていても、一向に暮らしやすい家は実現しません。クリエイティブなエバーのお施主様のご夫婦の意見というのは、本当にどちらも核心であり、重要です。

そんな時、私たちがやることは、ご夫婦の異なる2つの意見は、両方とも受け入れる、そして両方のご希望を叶えていこうと努力をすることです。

ひとことで言ってしまえば簡単ですが、実はこれ、かなり難しいことです。

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お客様の変化。エバーの家づくりの変化。

2014年9月

エバーグリーンホームの施工例カタログは、何度も刷り替えが行われています。掲載させていただく邸は、毎回、直近の数年間に設計・施工、あるいはリフォームやリノベーションをお世話させていただいたものしか選ぶことができません。今年20年目を迎えたわけですが、その全てのお施主様の邸を掲載してしまうと、おそらく電話帳のようなものになってしまうでしょう。割愛させていただくのは本当に残念に思いますが、仕方のないことです。その分エバーのオフィシャルサイト(ここです)では、なるべく年月を遡って施工例をご覧いただけるようにしています。

今年20年目を迎えたエバー。たとえばその半分、最近の10年だけを振り返っても、その作風には変化が見られます。あくまでもエバーの家づくりはお施主様の思い描く夢をかたちにするもので、特有のスタイルは持たないのですが、それでも傾向はあるようです。それは、一つには時代の変化というものがあるのだと思います。そしてもう一つは、お施主様の属性の変化というものがあります。

エバーの家づくりは、以前から「個性がある」と言われ続けてきました。これはとどのつまり、お施主様の個性が突出していたからです。個々の皆様が千差万別のライフスタイルを思い描き、それをかたちにしようと奮闘されていました。そして、それを技術や経験でサポートしてきたのが、我々エバーです。だから、エバーが個性派集団であったわけではないのです。むしろ、夢をかたちにするのですから、現実派集団なのだと思います。

そんな流れから、だんだんと変わってきている、お施主様の属性というもの。 それは、家づくりを経験されてきた方が増えてきたことです。
すでに家づくりを経験されている方は、家づくりに対して強く安心であることを期待します。アクロバティックな発想を期待するのよりも、基本に忠実であることや、暮らしやすさについての追求があります。そういう意味で、すでに家づくりを経験されている方は、大手のハウスメーカーさんに流れる傾向があります。現場の安全対策費ひとつを取っても組織の力でコストを注ぐ、その信頼性や安心感に心が傾くわけです。

そういうお客様が、年々比率を増して、エバーにご依頼をくださるようになっています。その理由を察するに、発想力やデザイン力といった「お施主様の理解力」と、ハウスメーカーレベルの「家づくりの基本」との、その双方のバランスのとれた会社がエバーであると、認識してくださっているということです。ありがたいことです。
「前の家は本当に住みづらかった」「どうしてここに窓があってここには窓がないのか」「歳を経るにしたがって住みやすい家に変えたい」そういった声を、最近のお施主様は発せられます。すでに家づくりを経験されている方の、実感からくる言葉です。派手さやかっこよさ、可愛さといったものよりも、むしろもっとベーシックな、日々を暮らす上での安心感が欲しい、という。

エバーは長年「センスのいい工務店」というイメージを持たれてきました。そこに「センスのいいハウスメーカー」という、新しいイメージが加わりつつあることを感じています。少しずつ、でも着実に、この会社は円熟していってるのだなあ、と、感じているこの頃です。

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良いものは、いつまでも、心の中で輝き続ける。

2014年8月

本物は実に良い。そう実感しました。

来月のHPで新規に紹介されることと思いますが、横須賀市のO様邸がもうすぐ完成します。そこの床を本物のヘリンボーンのフローリングにしました。木材の小片を木目を交差させながら規則正しく張り上げていく寄木張りです。ヘリンボーンは元々はツイードのコートやジャケットによく使われている山と谷の連続する美しい柄のことを指しますが、フローリングでも同様のクラシカルな雰囲気を醸し出します。かつては豪邸と呼ばれる家で見かけたものです。
しかし、いつしかコスト重視で量産型のユニット式のものが多く出回り、それがいかにも安っぽく感じられることから、廃れていってしまいました。

ですから当然、手間がかかります。コストもかかります。しかし、美しさといったら実に素晴らしいものです。職人がひとつひとつ苦労して張り上げていったその出来栄えは、我々もお施主様も等しく感無量に違いありません。
床に贅を尽くすというのはとても有意義なことであると思います。床は、そこに住む以上、切っても切れない関係になるのですから。日々、その美しさに感嘆し、日々、足元にひしひしと贅を感じることができます。

私たちは、全ての欲望において無尽蔵に贅を尽くすことはできません。その人なりに限界というものがあります。
そして、どこにお金を使い、どのようにして贅を尽くすかという点で、その人の価値のようなものが決まってくるのだと思うのです。

そして、贅を尽くすことは、他人に向けた行いではありません。他人に自慢するために贅を尽くす人は、アラブの大富豪なら別として、その程度の価値の人かもしれないな、なんて思ったりします。私が思うに、一流ブランド品の存在意味というのも、「新品を買い、所有する」という、ただそれだけなのだと思います。決して他人に向けた行いではない。だからこそ、中古品や模造品では達成できない、真の心の贅沢が得られるのだと思います。

丹精込めたヘリンボーンのフローリングは、この先、O様とご家族にとっての、真の心の贅沢として生き続けてくださるのだと思います。

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フェイントには、要注意。

2014年7月

サッカーワールドカップの日本代表、本当にダメダメでしたね。選手ひとりひとりは本当に全力を尽くしているのだと思います。しかし結果がついてきませんでした。一方、毎回一定の成績を出す強豪国というのは、今回も下馬評通りに決勝トーナメントに勝ち進みました。これはサッカーがくわしい人間に聞いてみるに「経験の差」であるらしいです。ということは、日本も経験を積むしかないということですね。ワールドカップに出場し続けるしかない、と。千里の道も一歩から、です。日本はまだ数歩を踏み出したばかりです。

話は変わります。再生可能エネルギーの固定価格買取制度というのをご存知でしょうか?ひと言でいうと、太陽光や風力、地熱をはじめとする再生可能エネルギーで発電された電気を、国が定める価格で一定期間、電力会社が買い取ることを義務づける制度です。そういった制度が施行されつつありますが、そこには数多くのグレイゾーンが存在するようです。クリーンエネルギーの導入という大義名分があっても、電力会社にとっては他人が作った電気を買わなければならないというのは自分たちにメリットがありません。電力会社を後押しする政治家も、そんな制度は好みではありません。原発推進派はもってのほかでしょう。せっかくの素晴らしいポリシーも、雑音だらけの制度になってしまいました。残念ですが、私としてはどうにかそれが美しい実となって成熟するのを待つしかありません。庶民ですから安易に飛び付くわけにはいかないのです。

世の中は、大義名分と既得権益のせめぎ合いです。バランスが保たれているのならまだしも受け入れることができますが、結局は既得権益の比重が大きかった、とそんなことがよくあります。実に、しらけちゃいます。そう確信すると、もう、安易に飛び付こうだなんてこれっぽっちも思いません。生きていく上での「経験値」のなせる技です。戦況を見守るのが得策。やっぱり変わらないというのなら、やっぱりしらけるだけです。

ワールドカップの試合を興奮しながら見ていると、ひしひしとゴールキーパーの大切さというものを感じます。大切な試合ほど、多く点を取ることより、点を取られないことの方が大切なのだと実感できます。「次はどこからシュートが飛んで来るのか?」目を見張って、読みを最大限に働かせて、戦況を見守る。そんな一流のゴールキーパーの仕事が注目される場でした。失点を免れることが、勝ちにつながる。彼らは、フェイントをかける相手ほど、決してむやみに飛び付こうとしません。

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大切なものを捨てられる人間だけが、何かを変えることができる。

2014年6月

新しい号が発売されるたびに、急いで買って読むマンガがあります。ご存知「進撃の巨人」です。すごいマンガだと思います。人によっては「ああ、巨人が人を食べるやつですよね?」と、とてもシンプルな反応をしたりします。しかし、その発想こそが、原始的であり、逆に全く新鮮なものでもあります。平気で人を食べるシーンが現れて(しかも露骨な描写で)、ぎょっとします。しかしこのマンガの本質というのは、そういうところではないと私は思っています。

幼い頃というのは、相手にかなうかなわないは別として、力づくで欲しいものを奪い取ろうとしたり、やりたいことを押し通そうとしました。しかし、いつしか誰もが大人になるにつれて、諦めの気持ちが生まれたり、道徳心のようなものから力をふるわなくなったり、かなわない相手には最初から立ち向かうことをしなくなったりします。そのうちに、圧倒的に強くてかなわない相手という存在がはっきりと見えてきて、それらは「別の世界」と割り切るようになります。それらは、人であったり、社会であったり、法であったり、自分たちを取り囲むさまざまな強大なものです。幼い頃に抱いていた壮大な夢など、いつしか「幼稚だったな」のひと言で片付けられてしまいます。

「進撃の巨人」の主人公であるエレンという青年は、どんなに現実の世界が地獄であろうと、幼い頃から持ち続けている「海というものが見てみたい」という夢を見失わない人間です。どんなに多くの仲間が殺されようと、自分が殺されかけようと、夢は砕けることがありません。残酷な世界のほんのわずかな光だけを頼りに、生き残っている仲間と共に夢に向かって進み続けます。

「進撃の巨人」は、「どうがんばったってできないことがある」ことと、「それでも人は夢を持ち続けなければならない」という観念を、読む人に伝えています。それって何でしょう?そう、「現実」です。巨人とか途方もない存在が現れる寓話ですが、本質は「現実」を描いているように感じるのです。

「大切なものを捨てられる人間だけが、何かを変えることができる。」劇中の名セリフです。これは人生という現実の中であてはまります。過去の歴史において、何かを変えた偉大な人物というのは、皆、大切なものを捨てられる覚悟を持っていたのだと思います。右手に持っているものと、左手に持っているものの、両方を得ようとする人は、きっと何も変えられないのでしょうね。

最近、気がついたことがあるのです。それは「モラルのない人間に限って法律の話をよくする」笑。そのような人に限って、よく「法的には問題ないですから」とか言います。法的に問題なければ良い、なんて、誰から教わったのでしょう?笑 そういう人間像って、よくマンガに出てきますよね。「ベニスの商人」さながら強欲な商人だったりします。ふとしたことで一文無しになる類です。間違っても、話の本筋にはなれません。

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リーダーの資格。

2014年5月

韓国船の沈没事故の新たなニュースが流されるたびに、悲しい思いがあふれ、胸が痛みます。事故を取り巻くあらゆる関係機関の対策のずさんさが、あれだけ多くの人を死なせてしまいました。船内では、船長の不適切な状況判断に、この悲劇がまさに人災であることを知らされます。船長は、その命を船とともにする、と言います。沈みゆく船であるなら、乗客や乗組員の安全を見届けるまで、最後までそこに居留まるのが仕事であると言います。それは社会全般においても上に立つ者の自然です。
それにしても今回の事故には疑問が残ります。船長は絶対権限であったにしても、乗組員を含む内部で議論の余地はなかったのでしょうか?考えうる限りの最善策を導き出す努力はされなかったのでしょうか? あれほど誤った判断が暴走したことに「どうしてこんなことになってしまったんだ?」と、首をかしげてしまいます。

「リーダーの資格がない者がリーダーをやってはならない」このことは間違いなく明白です。最終的にリーダーが行う最大の仕事、それは「任せられることは仲間に任せ、その責任を自分が取る」ことです。そのことを実践できない者は、リーダーをやる資格はありません。それはエバーの社内においてももちろん適合されています。それがあって初めて、スタッフは自由に発想することができます。そしてお客様を喜ばすことができます。常にそれが順調であるなら、それにこしたことはありません。
しかし万が一、お客様に不利益を与えてしまった場合、そのことに対して責任を取るのは、担当のスタッフではなく、長である私になります。長がそのスタッフに仕事を任せて、それで良いと判を押して、それで起こったトラブルなのだから、それは長の責任です。

長が長たる仕事をしない会社は、すなわち、スタッフのやることに社長が責任を取らない会社は、スタッフの一人ひとりが縮こまって、必要最小限のことしかしなくなってしまいます。そのうちに皆が、命令されたことしかしない会社になってしまいます。勘違いしている長は、命令することが自分の仕事であると思っています。

あの韓国船の中で、乗組員は積極的な議論を行えていたのでしょうか?船長はちゃんと聞く耳を持っていたのでしょうか?ロボットのように命令に従うだけの風潮だったとしたら、それでは被害者があまりにも浮かばれません。

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世間が慌ただしい時が、エバーの学びの時。

2014年4月

この4月、エバーグリーンホームは創立20年目、節目となる20期に入りました。私の私的なブログにも書きましたが、10年前は今の場所に本社を移しました。20年目の今はそれほどセンセーショナルなことはありませんが、消費税5%から8%の時代へと突入しました。消費税が上がるとその直前に建築業界は活況となるのですが、エバーは違います。今までも今回も、そんな慌しさには無縁で、他社が忙しい今もエバーは落ち着いております。そして業界が落ち着いた頃に、エバーは新規のお客様で賑やかになる、というのが通例です。エバーのお客様の傾向というのは、そんな風に、時の流れを見極める心境をお持ちのようです。

エバーには、変わらぬ家づくりへのこだわりがあります。しかし、それは「良いものを作る以上はこだわりを極める」といった姿勢とは少し違います。その結果、しわ寄せが価格に行ったり、企業の利益がそぎ落とされるというのでは、消費税8%時代に突入した時代に立ち向かうための企業努力というものがありません。格好のいい理想だけを掲げていくのではなく、お客様の望む家をつくるという姿勢を保ち続けていくために、自然素材も工業製品も、銘木も端材も流木も、職人が現場でつくることも工場で機械がつくることも、一人ひとりのお客様にベストと思われるチョイスをしていくことが大切です。その選択に確固とした理由や信念があること、それがエバーのこだわりであると思っています。

周囲が慌ただしいうちは、逆にエバーは学びの機会を与えられているのだと思います。まさに今がその時のようです。スタッフ全員、もちろん私も含めて、大いに学ぼうと張り切っているところです。

ところで、10年前、20年前にエバーでお世話させていただいたお施主様が、いまだに「感謝している」と言ってくださるのは嬉しいことです。それは、きっとその時その時で、私やスタッフが一生懸命に仕事をしたことに対しての、感謝のお気持ちであると思います。もちろん、20年前の私も、10年前の私も、今の私とは違うのですから、その時その時の自分なりでお施主様お一人お一人に一生懸命であったわけです。じゃあ、今は?これからは?かつてと違う今からの自分は、どう一生懸命であることが必要なのか?それが大事なことなのだと思います。それもまた企業努力の一つでしょう。

体力で何とか乗り切ってきた若い頃とは違って、日に日に、体を使うより頭で考えることが多くなってきました。しかし、それは組織の長として自然の流れなのでしょう。では体が鈍っているのか?というと、それはご心配なく。先日久しぶりに行ったゴルフで、何と昔より飛距離がアップしていました。まだまだ心身ともに、猪狩裕一は大丈夫です。

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エバーグリーンホーム 2014春の完成内覧会について

2014年3月

今月の最後の週末、3月の29日・30日の土日に、久しぶりにエバーグリーホームが内覧会を開催します。どなたでも見学ができます。もちろん無料です。この機会にエバーがどんな家を建てているのか、ぜひご覧いただきたいと思います。(詳細はオフィシャルウェブサイト内「News」にある情報をご覧ください。)

場所は中海岸1丁目です。今回は狭小地の邸で、お施主様が賃貸住宅として土地活用をするためにつくられた邸です。茅ヶ崎では、駅から徒歩圏内であれば、持て余している土地に住宅をつくり、そこを貸して利益を得ることができます。しかしながら、その住宅に魅力がなければ借りる人はいません。建てれば勝手に人が借りてくれるというほど、賃貸住宅の土地活用というのは甘いものではありません。いかにその建物に暮らしやすい配慮があるか、魅力的なデザインであるか、それらがないと、借り手がつかず家賃設定を下げることになってしまいます。エバーが賃貸用住宅をつくる際に重要視していることは、機能面でもデザイン面でも、流行りすたりに左右されない、何年でもずっと住み続けたくなるような家をつくることです。色あせることなく、愛着が膨らんでいくような家です。それはつまり、新築時だけもてはやされて、新築でなくなると借り主がいなくなり、オーナー様に維持費の負担だけがのしかかるような家にしないためです。

目新しい設備を付けている、とか、ローコストを意識している、といった他の大小のメーカーとは異なり、エバーの家づくりというのは「わかりやすさ」に欠けている部分があると思います。宣伝文句にはなりづらい工夫や苦労や知恵ばかりだし、お客様によってそのどこに力点を置くかというのは自ずと変わっていくわけなので、エバーの家づくりは何がいいのか?と問われると、一慨には言いづらいです。しいて言うなら「お施主様らしさをつくる」という面で多くのお客様からのご指示をいただいています。家づくりを何度か経験し、家づくりの何たるかを熟知している方が、次も、その次もと、エバーをご指名してくださいます。エバーで建てた家を親友のご家族におすすめしてくださることが、何年もエバーの大きな支えとなっています。それがどうしてかを、宣伝文句のようにひと言で伝えることは非常に難しいです。だからこそ内覧会に来ていただくことは、エバーの「お施主様らしさをつくる」を直接目の当たりにしていただくための、絶好の機会です。これから家づくりをお考えの方にとっても、いろいろと学んでいただくための、いい機会だと捉えていただけたらと、恐縮ですが述べさせていただきます。

エバーの内覧会は毎回、何か目を引くようなイベントとか、素敵なおみやげなどをご用意しているわけではありません。しかしその分、家を細部に渡り直に見ていただくことに時間をさいていただける、と思います。

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何を大切にし、何を見直すべきか。

2014年2月

職人にいい仕事をしてもらいたい。しかしなかなかそう簡単にうまくはいかない現状がある。それが今の建築業界の現状です。

ご存知のように、職人達というのは日当で働いています。サラリーマンとは異なり、日々現場を渡り歩いて、その持てる技術や勘をケースバイケースで駆使していく職業です。考え方も仕事に対する姿勢も一般人とは異なるものがあり、それを一律に月給というかたちでは換算できない職業です。腕ひとつが頼りですから、腕がよければ稼ぐことができる反面、組織に守られていないことから、世の中が下向きに傾くと、そのネガティブな動向が露骨に収入に反映されてしまいます。

職人にとって、今は仕事がないというわけではありません。震災の復興事業もあり、むしろ引く手あまたです。しかし住宅は著しく二極化が進んでいて、建売住宅のマーケットが勢いよく拡大しています。建売は価格競争がつきものです。いかにして安く物件を提供するかと業界が考えた場合、それが職人の日当にも反映されてしまうのです。

現在、職人の日当は1万円前後であったりします。しかし職人は組織の恩恵を受けていないので、かかる経費は全てその日当の中から捻出します。額面通りに懐に入るわけではありません。道具代、消耗品、交通費、保険、雑費…それらを差し引くと、現金収入はおおむね6千円前後となるでしょうか。

かつて景気がよかった頃、知り合いの職人は3人の男の子を全員大学に行かせることができていました。しかし、今のこのような状態ではあり得ません。仕事が日々あっても、一日の稼ぎが6千円前後では…。

ここから先は、お施主様にぜひご理解いただきたい話であると思っています。これから消費税率が上がるという今は、とくにお話すべきと考えます。

エバーは、職人に対してリスペクトをし、大切にしようと考えています。それは、厚待遇にするという意味ではなく、冷遇はしない、という意味です。エバーを取り巻く職人連は、一人残らず誠実な仕事をします。そういう職人に集まってもらっています。彼らに対して正当な評価をするということです。正当に評価し算出される職人達への支払いについては、お施主様には、ご納得いただかざるを得ない、ということです。エバーは、いかにして納得のいく価格を出すか最大限の努力をする会社ではありますが、価格の安さを第一にした会社ではありません。むしろ、労苦を惜しまないで生まれる「質」が命であると思っていただければと存じます。

だからといって、指をくわえて消費税率が上がるのを受け入れるわけではありません。第一に考える「質」を維持しつつ、お施主様への負担を軽減する策を日々模索しています。

その一つとして具体的に可能なのは、徹底して部材の無駄を省くことです。今まで以上に徹底をして、です。エバーは木材の使用率が高いことが特徴です。一つ一つの家に応じた設計をすることから、画一的な使用方法を取ることが難しく、結果として坪単価当りの木材使用量は通常の1.4〜5倍になっています。これまでも資材の無駄は徹底管理していますが、それでもまだ見直すべき点はあると考えています。無駄を極限のゼロにまで近付けていこう、と考えています。
また、適材適所に県下の木材を使用することで、地産地消の補助を受けコストの削減につながると考えています。
そうしたことで、想定で3%の資材コストの削減を目標にしています。

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年の初め、増税を前にして。

2014年1月

雛人形の老舗である「吉徳」さん。その名匠による珠玉の雛人形について触れる機会がありました。その技の粋、手間のかけ方というのは、本当に感動に値するものでした。廉価品である型で造る雛人形とは全く別物の、一品至極の卓越した芸術品であると感じました。

そしてそれとは逆に、廉価品には廉価品の素晴らしさもあると思いました。多くの人に商品を提供するために、いかにして原材料をコストダウンし、作業工程をスリムにしていきながら、納得のできる品質まで高め、かつ価格を抑えることができるか。そういった努力がそこにはあります。

それを建築として考えた場合、神奈川で家を建てようと考える人、湘南に移り住もうと考える人というのは、やはり前者である傾向が高いと感じます。フルオーダーとまでは行かずとも、家を建てることの経過を大切にし、建売にはないこだわりを盛り込みたいという人が、首都圏ではとくに神奈川県ならびに神奈川県移住者に突出して多いようです。

横のつながりから建売住宅を専門にする同業者とも話をする機会がある私が感じるところによれば、今、先方の業界は増税前の駆け込みのお客様のための建築ラッシュであるはずです。そういう時の建築のスピードというのはすごいのです。何と上棟してから一ヶ月半で完成させてしまいます。もちろん何の準備もなしにできることではありません。資材の調達は事前段階から計画的であろうし、人手不足である職人の調達も周到なのでしょう。そうした陰ながらの努力をして、増税前に滑り込みたいお客様の要望を叶えていくのです。想像するに、打合せだけでも非常に時間を拘束されるはずです。関わる人員も膨れ上がるはずです。エバーのような企業規模では到底できることではありません。

そのようなお客様とは一線を画しているエバーの業態では、お客様も計画的なビジョンをお持ちであることから、増税前の駆け込み需要のパニックというものはありません。それは当然といえば当然の話でもあります。建売ではなくご自身の発想で家をつくりたいという方は、家というモノを買うだけではなく、つくるというコトを大切にもしていらっしゃる方だからです。家を持つということを、できるまでの経緯も含めて大切にお考えになっている方で、それなりの時間やお金の準備をされている方だからです。

よりお客様の満足をいただくために、今年はどうしたらよいかと考えています。要望をかたちにするためのレベルアップ、無駄を排除することでのコストダウン、それらは言うまでもなく、日々の細かなやりとりを大切にしていきながら悪しき所を改善し続けることが肝心であると、あらためて感じます。

そのためには、まず社長である私自身がおごりを捨てて、今まで以上にしっかりとお客様に向き合うような、エバー創設当初の志に立ち返ることが大切であると思っています。自身のブログにも書きました。今年は、昨年の自分を駆逐する年。後悔しない毎日を送りたいと思います。

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